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上級心理カウンセラー  遠藤 久恵のカウンセリング・コーチング

学び始めるのに遅すぎることはない

公開日:2023年10月12日 カテゴリー:ひとりごと, 教員の皆さんへ, 生徒、学生さんへ タグ:

学ぶこと

 

 

私は教員となり、初めて生徒さんたちと関わることになった学校は定時制高校でした。定時制高校に対する知識などほとんど皆無だったのですが、逆にそれが先入観なく学校や生徒さんと向き合うことができ、今でもよかったと思っています。

さて、以前の定時制高校の状況は現在と異なることが多く、「先生」と呼ばれることに面映ゆさを感じていたのも事実です。

昼間は働き、夜勉強する。定時制高校に通う生徒さんのほとんどがこのような生活を送っていました。そこには、経済的問題が大きく関与していたのではないかと思われます。
今でも、同様の生徒さんは在籍しますが、入学してきた理由は多様性に満ちています。

しかし、変わらないこともあるのです。

それは、誰にでも開かれた学校であること。(※高校卒業資格を有していない)

先日、新聞で夜間中学校を卒業し定時制高校に入学した生徒さんの言葉を目にして、当時のことを思い出しました。

その生徒さんは、すでに年齢も重ねているのですが、改めて勉強することの必要性を感じ夜間中学校へ入学。
そこで学ぶことの喜ぶびや大切さを知り、さらに定時制高校で学ぶべく進学したとのことです。

彼女の言葉は「学び始めるのに遅すぎることはない」とありました。

人はそれぞれの事情により学校で学ぶことを断念することもあります。中学校から高校、大学への進学率が上がる一方、学校へ行くことができなくなるという人も多くなっているのではないかと思います。

学校という場の役割も多くなってきたのかもしれません。
それらの原点に返ることが「学び始めるのに遅いことはない」という言葉に表されていると感じたのです。

 

ある卒業生

 

 

定時制高校には、年齢がバラバラの生徒さんたちが在籍しています。それは、そこにいる誰もが学ぶことを欲しているからなのです。

学ぶことを学校に求める。つまり学習環境が整っている中で勉強するという体制を整えたいのでしょう。
これは、学校の役割の大きなポイントです。

私が定時制高校で担任をしたあるクラスには当時、私よりねんね委が上の男性が在籍していました。
今、彼のことを思い出さずにはいられないのです。

彼は、とにかく真面目、昼間は仕事をして遅刻もせずに登校してくる。授業態度も真剣そのもの。いわゆる模範生徒と呼ばれるにふさわしい人でした。

さらに、部活動でも全国大会に出場して好成績を収めるというスゴ技まで・・・。

なぜ、このような人が今頃になって定時制高校に?そう思い、訊いてみるとこれまでの彼の人生にとって学ぶということがいかに必要で大切だったのかと知ることになったのです。

彼は実家の事業を継げばいいと中学生の頃から思っていたそうです。だから中学校でも勉強もあまりせずに卒業後はその道へ進んだとのこと。

実際に仕事を始めてみると関わる人たちも多く、当然いろいろな話しをすることになります。
そこでの話題についていかれない自分がいることに気づいたとのこと。ある人にこういわれたことが学びをスタートさせることになったそうです。

「こんなことも知らないの?学校で習わなかった?」悔しいというより、事実なので反論もできない。
彼にしたら、仕事さえできればそれでいいのだと思っていたですが、それだけでは上手くいかないことがあることに改めて気づいたそうです。

自分の知らないことが世の中にはイッパイある。知識として自分の身に着ければもっと仕事の幅も広がるに違いない。

一念発起して、定時制高校への進学を決めたそうです。若い子どもさんたちと上手く生活できるだろうか?勉強についていかれるだろうか?そんな思いが燻っていたに違いありません。

それゆえ、貪欲なまでに学び、行動し、さらに高校生活を遅ればせながら楽しもうとしていたのです。

当時は、彼よりも年上の生徒さんも在籍しており、良い仲間ができたようです。
年下の生徒さんに対しては、時に厳しく、時に優しく声をかけ、まるで先生のようでもありました。

学ぶことは、いくつになっても始められる!彼はその姿で示してくれました。

さらに彼は卒業後、さらに学びを求め夜間の大学へ進学しました。

卒業の時に、学ぶことがこんなに楽しく、自分にとって宝物を得ることになると若者に伝えたい!と語っていたことが忘れられません。

 

学ぶことで宝物を得る

 

 

様々な事情で学ぶ機会を失った!と感じている人がいるとしたら、決して学び始めるのに遅いことはない!と声を大にして伝えたい気持ちです。

人はいくつになっても日々、学びの中にいます。
学校という場だけではなく日常の生活の中でも学びたいという意欲を持っていれば知識は増えるのです。
それが自分の宝物として光るはずです。

学ぶことを躊躇ったり、遠慮することなど必要ありません。

現在、定時制高校には小・中学校時代に不登校を経験したという生徒さんが多く在籍しています。彼らは、環境を変えて学びたい、自分を変えるために学びたいなど前向きな考えで入学してきます。

その時こそが新たに学びを始める時。

また、年齢を重ねた生徒さんももちろん在籍しています。
同様に、その時こそが新たに学びを始める時。

様々な学びの中から自分発見があったり、人との関わりに喜びを見つけることもあるでしょう。

どんな時も、どんな場所でも前向きに学びをとらえてほしいと願うばかりです。

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