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上級心理カウンセラー  遠藤 久恵のカウンセリング・コーチング

伝えたいことを伝えるために

公開日:2020年02月06日 カテゴリー:ひとりごと, 教員の皆さんへ タグ:

思いは伝えたいもの

 

 

毎日接している子どもたち。彼らに今、何をどのように伝えたらよいかを考える時もあるでしょう。
それは、親であれ教員であれ同じこと・・・。

子どもたちが健やかに、真っすぐに育ってほしいと願うことは大人の役目が見える時。
だからこそ、子どもにはこうあってほしい、こう考えてほしい、こう進んでほしいなどと理想にも近いことを押し付けようとしてしまうこともありがちなのです。

しかし、子どもとて自我が芽生えて自分で物事を考えるようになる。自分の思うように行動したくなる。
大人はそれをどのように理解し、関わっていくことがよいのでしょうか・・・。

大人が伝えたいことを、その関わりの中で活かすことができるように・・・。

大人もかつては子どもでした!自分のことを振り返ると、そばにいた大人たちは自分にどのように接し、話をしていたのかを思いだすかもしれません。それも役立つ材料、無駄なものではありませんので良かったと思うことやその逆のことも思い浮かべてみて下さい。

 

伝えることの難しさ

 

 

教員として、子どもたちに伝えたいことは日々増えていくと感じる時がありました。
その日に必要な指示は別として、気づいたことや今知ってほしいことなど色々と浮かぶものなのです。

しかし、限られた時間内で早口でただ喋っても、子どもたちに伝わったかは疑問です。教員が伝えたという自己満足に終わることもあるものです。

教員は子どもたちと、毎日コミュニケーションを図っています。図ろうとしています。

しかし、その中で的確に物を伝える難しさも感じるものです。

子どもたちの様子を見ていると、朝の状態と放課後の状態は明らかに違います。
教員が伝えたいことを伝える時、子どもたちがどのような状態の時が伝わりやすいでしょう?

もちろん授業中で授業に関することはその時であることは間違いありません。
それもタイムリーに興味をそそりながら、今だ!という時があるもの。伝わったという実感が得られる子どもたちの様子が見えるでしょう。

 

ある高校の卒業式でのことです。
卒業生に対するお祝いの言葉を述べる時に、何を話そうか迷いました。彼らと共に過ごしたの学校生活を思い浮かべてみる。

今伝えたいことはこれしかない!やはりこれにしよう。

それは「人は一人ではない!」ということでした。このテーマは、私自身終始一貫した教育上のテーマでもありました。

高校での生活を終え、社会に飛び出していく子どもたちにこれだけは忘れないでほしいと思ったのです。
学校では様々な心を抱えて苦しんでいる子どもたちがいます。彼らは一人でもがき、叫びますが声が届かないこともあるのです。

それ故、自分は一人だ・・・と勘違いを始めます。
それを周りにいる人たちがどのように理解するべきなのかを一緒に考えてほしかったのです。子どもたちにだけに伝えたかったのではありません。先生方や家族の皆さんにも・・・。

 

ただ単に祝辞という文章を並べて話すことが一般的なことなのかもしれません。
しかし、子どもたちは祝辞をどのように受け取るだろうか?お仕着せの言葉の羅列であり残るものではないのではないだろうか・・・という思いもありました。
もちろん、それはわからないことであり私が勝手に思っていることでしかないのですが・・・。

初めて壇上で祝辞を述べた時にも子どもたちに今、何を伝えたいのか自分の心と相談していました。その年に起こった彼ら自身の出来事を、こんな風に捉えてほしい!これから先は一人ではなく、誰かを頼ることも必要であること・・・。困ったり、迷ったら自ら手を伸ばしてみる。必ず誰かの手が掴んでくれる。共に進むことができるもの。手を伸ばしたり、掴んだりする勇気を持つことが大切な事。

私の思いと願いを込めて、そのような内容のことを伝えました。

驚いたことに、聞いている子どもたちの目が潤んでいたのです。保護者の皆さんも同様に・・・。
そして、伝え終わった時には大きな拍手が押し寄せてきました。

予期しなかったことです!
この時、あ~伝わったのだとホッとしたことを覚えています。

あれから数年後。

私の思いを乗せた言葉を繋げるしかない・・・。
そのためには自分をどのように表現するべきだろうか。

様々な思いが浮かぶ中で、一つのテーマ曲が浮かんだのです。
それが竹内まりやさんの『命の歌』です。

2019年末の紅白歌合戦で、久しぶりに耳にして自分が伝えたかったことを再確認しました。
彼らがこの世に生まれてきた意味、育ててくれた人がいて自分が居ること。人は一人ではない。

この先も、決して忘れてほしくないことです。

いつか子どもたちもこの意味の深さが分かる時がきっとくる。その序章になればいいと思いました。
話しているバックに、合唱部が歌う『命の歌』を静かに流してもらいました。

素直に受け取ってくれた子どもたち。自分の出来事として受け取り、今までのことやこれから先のことを描くことで一つの思いが生まれたのだと感じます。

 

伝えるということ

 


自分が伝えたいことは、自分自身の中に必ず意味をもつものです。

伝え方は難しいと言われますが、心を込めて話すことが一番なのです。たとえ時間が無くても、その時に話しておきたいことは丁寧に伝えるべきでしょう。

子どもたちは受け取る気持ちを持っています。
そこに大人の言葉がどのような意味をもって入り込めるか・・・。

聞いてほしいという気持ちが、聞きたいという雰囲気を作ってくれます。

ただ、押しつけにならないような話し方も必要です。子どもたちの状況を素早く判断して、聞く体制にあるかどうかを知ることです。

子どもたちに対する思いや願いは、常に大人の中にはあるものです。
それを伝える術がない・・・。

そうではなく、伝えるということに自信がないだけなのです。

誰でも心を込めて伝えてみること。自分の言葉で伝えてみること。

自分自身に伝えてみることから始めてはどうでしょう。

 

 

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