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上級心理カウンセラー  遠藤 久恵のカウンセリング・コーチング

自分の取扱説明書

公開日:2018年04月11日 カテゴリー:教員の皆さんへ タグ:

人はそれぞれ違う

 

ストレスブルー

 

「誰も私のことをわかってくれない・・・」

教員をしている時、耳にすることがありました。
理解しようとしているのに、そう言われても・・・と思ってしまう自分がいたこともありました。

ごめんね・・・。こうだと思っていたのに、違ったんだね。
と、心の中で呟いても、どうしたらよいか考えつかないのです。

人はそれぞれ違います。同じものを見ても、感じることや考えることなどまったく同じとはいかないもの。

それはわかっていて、何の偏見も持たず一人ひとりを理解しようと努めるのが教員!

しかし、この言葉は心に鋭く刺さります。

自分をもっとちゃんと見て!ということを言いたかったのです。
私を見て!という気持ちから、私をもっと見て!!となったのでしょう。

 

自分を知ってもらうには

 

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私たちは、何か新しいものを購入した時、取扱説明書がついていると安心感を覚えることがあります。
間違った方法で操作したり使用すると故障の原因にもなるので、注意を含めて添付されているのでしょう。

これを初めて出会った人に置き換えてみるとどうでしょう。
残念ながら、その人について何も知らず、何気なく差しさわりのない話でまず話しを進め次第に探る・・・ということになりませんか?

数年前に出会ったある生徒さんが先生方の対応について怒り半分で話しをしてくれました。
早口で、自分が感じている嫌なことをまくしたてます。

一息つくと、ちょっと安心したのでしょうか。実は自分が障害を抱えていることを打ち明けてくれました。

私は、ただ頷きながら生徒さんの話しに耳を傾けることしかできなかったのですが、それが、生徒の持つ苦しさや困り感をすべて話してくれることに繋がったと感じました。

こんな自分の状態を担任は、なぜわからないのか?
先生なら障害についての知識くらい持っていて当然!という考え方がその生徒の中にはあったのです。

実は、その生徒さんのお母さんも来校され、過去の学校生活の様子と家庭での様子をすべて話してくれたのです。

とても嫌な思いをしてきたので、高校では抱えている障害について話すつもりはなかった。
でも、あまりに学校で生きにくいように見えてきたので、思い切って話しをしてみたとのこと。

お母さんには、心より感謝しました。
何故なら、教員が何も考えず他の生徒と同じように見て、受け取り、言葉を投げかけているとしたら、きっとその生徒の心の中は疑問符ばかりで穏やかではないだろうと感じたからです。

これは教員へのクレームではなく生徒は色々な個性がある、それを知ったうえで関わってほしいという要望だと理解しました。

教員に、障害についてもっと学ぶことを示唆してくれたのです。

生徒について知らないことを減らし、より多く知ることは関わる上で大きなこと。

しかし、生徒一人ひとりについてすべて知ることは難しい。
それなら、自分について本人や身近な人から伝えてもらう時間を設ける必要があるのでは?

私はお母さんと今までのことを基にしてこれからどうしていくことがその生徒さんが生きやすくなるのかを相談しました。

まず教員が障害を抱える生徒さんに対する理解を深めること、そしてその生徒さんに対しては行っては困ることを細かく聞き取りました。

障害の特性によるものがほとんどでしたが、成育過程も個性を育むことに影響していたかもしれません。

 

お互いに理解するために

 

家族

 

人にはそれぞれ個性があります。

生徒一人ひとりを理解するためには、その生徒の個性を把握する必要があるでしょう。

個人の「取扱説明書」を必要としている・・・。
誤解されやすいのですが、その生徒の状況を知るためにはこのような考え方もあるのだと感じます。
個性(特性)を踏まえたうえで関わりを持つことは大切なことです。

その生徒さんが学校生活を有意義に送ることができるか否かの瀬戸際!とも取れます。

怒りのポイントはそれぞれ違います。障害を抱えて、その面だけでも苦しんでいる・・・。
他の生徒さんとは違う側面を持っているだけなのですが、一般的という中では生きにくいのです。

「取扱説明書」は、自己紹介としても価値があります。

自分を知ってほしいという思いの中で、自分の困り感や苦しさをも表現してもらうことも・・・。

誰もが抱えているであろう生活のし辛さを共有し、改善することができれば、より楽しい毎日を感じることもできるはず。

複雑な世の中を生きていくためには我慢も大切なのですが、できる限りの生きやすい環境を整えたいもの。

生きにくさを理解することを怠らないようにするのも教員の役目なのです。

学校生活を楽しい場としてほしいのは、誰もが考えること。
それを実際にどのようにしていくかは、教員と生徒が共に考えていくしかない!

自分の「取扱説明書」を自分の中に持っていることも、互いを理解する上では良いのではないでしょうか。
交換して相手を理解する。自分を知ってもらう。

新しい仲間も増える4月。こんなことをちょっと考えてみるのはどうでしょう?。
みんながお互いの嫌がることを理解していけば、いじめも減るはずです。

自分を、関わる人を大切にするためにもお互いの理解は必要なことなのです。

生きやすい環境、居場所となる環境を是非作ってほしいと願います。

 

 

 

 

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